最新のテクノロジーを駆使した音声変換技術が日常的になり、これによって新たな特殊詐欺の増加が予想されます。
ビジネスメール詐欺、通称BEC(Business E-mail Compromise)は、組織や企業を標的に巧妙な手法で実行されるサイバー攻撃です。詐欺師たちは偽の電子メールを送り、従業員をだまし、資金を騙し取ることを目論んでいます。攻撃者たちは詐欺を実行する前に、企業内部の情報を収集し、電子メールを盗聴するためにコンピュータウイルスを用いることすらあります。また、最新のAIボイスチェンジャーを活用して、経営者の声を学習し、本物そっくりの音声で従業員に電話をかけるケースも増加しています。
最新のAI技術を駆使したリアルタイム音声変換技術は、今や一般の家庭でも手軽に楽しむことができます。しかし、これは犯罪者たちにとっても同様に手軽に利用可能で、詐欺に悪用される危険性が高まっています。
この技術を試すのは、比較的高性能なグラフィックカードを搭載したPCがあれば可能です。RVCというソフトウェアをインストールし、お持ちのマイクから話しかければ、リアルタイムに学習済みキャラクターの声で会話することができます。
リアルタイムボイスチェンジャー(リアルタイム音声変換)
VBケーブル(仮想オーディオケーブル)
音声チャットソフトウェアとして、TEAMSやGoogle Meetなども使用できます。音声通話では元々音質が劣ることから、この技術を使った詐欺が見抜きにくい場合もあるかもしれません。
この技術の簡便さに驚く一方で、それは犯罪者たちにも同じくらい簡単に利用できることを示しています。この新たな脅威に対抗するためには、十分な警戒とセキュリティ対策が不可欠です。